「富岳」成果創出加速プログラム:「富岳」を利用した革新的流体性能予測技術の研究開発

実証研究テーマ1

数値曳航水槽の実現と省エネデバイスによる
推進効率の向上

一般財団法人日本造船技術センター、東京大学生産技術研究所、
一般社団法人ターボ機械協会「流体性能の高精度予測と革新的流体設計分科会」

概要

 最大1,200億要素のWall-Resolved LES(Large Eddy Simulation)解析計算によって、船のまわりの乱流境界層を完全に解像する予測を実現し、曳航水槽試験を完全に数値シミュレーションに代替えし得ることを実証するとともに、さらなる高効率な省エネデバイスの開発に貢献します。

取組内容

Wall-modelの予測精度の実証

 100分の1以下の格子数により、Wall-Resolved LESとほぼ同程度な予測精度が得られる可能性があるモデルにより、壁面の摩擦応力を与えるLES計算手法である、Wall-Modeled LESの実証研究を実施します。

曳航水槽試験の完全代替えの実証

 国際的な産業競争力強化のために求められる、設計開発期間の短縮に貢献するため、現状の船型開発工程で、最終的に平水(波が無い)状態における、実船による海上公試(試運転)により評価している推進性能を、完全に数値シミュレーションで代替えできることを実証します。

省エネデバイスのメカニズムの解明と効率向上

 船の推進効率の向上を実現するため、プロペラ、舵と船体との干渉効果を含めた推進性能を正確に予測、および、省エネデバイスの、プロペラ後流の運動エネルギー回収メカニズムを解明できることを実証します。

その他

期待される効果

 ・世界発の数値曳航水槽の実現
 ・飛躍的な計算時間短縮の実現(Wall-modeled LESの実用化)

利用するアプリケーション

 FrontFlow/blue (FFB)